ボトックス注射について
過活動膀胱による、頻尿、尿漏れに対し、薬物治療を行っても効果がない方に適応があります。膀胱の過剰な動きを抑えるために、膀胱壁に薬液を注入する治療法です。
外来で行うことが出来る治療であり、局所麻酔を使用して、手技自体は短時間で終わります。簡便な処置で、比較的侵襲性も低く、大規模な臨床試験で安全性も確認されている治療です。
約20~40%の患者さんで尿失禁が消失し、約60~70%の患者さんでは尿失禁回数が半減すると言われております。有効率は60~90%です。効果は2~3日で現れ、1回の治療で6~10か月程度持続します。効果が切れてきたら繰り返し注入できます。
主な副作用は排尿困難、尿路感染、残尿量の増加です。残尿が増加し、排尿困難感などの不快な症状がある場合は自己導尿を検討する必要があります。報告ではその頻度は1~2%です。
治療費は、外来診療で3割負担の場合、手技料と薬剤料にかかる自己負担額は、過活動膀胱で5万円、神経因性膀胱で7万円です。薬剤費、尿漏れパッドの費用が軽減できる可能性があります。
