尿管結石症
尿管結石症について
日本人の生涯罹患率は男性で15.1%、女性で6.8%と言われている病気です。腎に作られた石が、何らかの影響で尿管に落ちて起こります。
尿管は直径3~4mmと狭いため結石が尿の通過を障害し、腎の圧力が高まるため激しい疼痛が起こります。
症状について
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腎は両背部に位置しているため、どちらか一方の背部の疼痛が起こります。結石が尿管の下の方に下がってくると、下腹部痛、膀胱炎の様な排尿症状も起こります。疼痛と伴に吐き気が起こる事もあります。
通常発熱を伴わず、採血検査では炎症反応は無~軽度です。発熱を伴う結石は、感染症を伴っている場合があり、早期の治療が必要です。
原因
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遺伝的要因と、食生活によるものが言われております。飲水量が最も重要な要因で、飲水量の少なさ(尿量の少なさ)が結石形成に関与致します。
食生活としては、プリン体、シュウ酸、高塩分食などが結石形成を促進します。特定の医薬品も結石形成に関わります。
検査について
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検尿
検尿にて血尿、細菌の有無等確認します。
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超音波検査
腎臓が腫れているか(水腎症)、膀胱結石の有無など確認します。
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CT検査
尿管結石の有無、サイズ、位置など尿管結石の診断では最も重要です。
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採血
発熱を伴う場合は行います。
治療について
結石が小さい場合、飲水量を増やし、結石を押し出す事で排石を促します。排石には運動も重要な要因で、特に振動を与える運動が有効です。
1cm以下の場合、排石可能と言われておりますが、個人差があります。結石が大きい場合、排石が困難で外科的治療(体外衝撃波や内視鏡手術)が必要となる場合があります。感染が伴う場合は、早期治療が必要になる場合があります。
予防
飲水を多くし、尿量を増やす事が大事です。適度なカルシウム摂取も有効です。
尿酸値が高い場合や、尿が酸性の場合は予防のお薬もございます。
腎に結石がある場合、大きくなってくるかどうか年1回程度の経過観察が重要です。